【比較レビュー】ピュアドライブプラス2021 vs ピュアドライブ110
オーバーサイズ化のメリットは?ベテランJOP視点で徹底検証しました。
テニス歴が長くなり、ベテランの試合にも出るようになると、どうしても「若い頃のように自然にヘッドが走らない」「練習量が落ちて以前ほど振り切れない」といった悩みが出てきます。
そんな中で私が気になっていたのが、“ラケットヘッドを大きくしたモデルのチューニング”です。
かなり前に、ジョコビッチが使用するHEADのSpeedシリーズのオーバーサイズ版「Speed PWR(115inch)」を重量アップして使うと安定感とスピン性能が段違い、というYouTubeを見たことが印象に残っていました。
さらに、実際のJOPベテラン大会でSpeed PWR 115インチを使う選手に敗戦し、そのプレーの安定感・スピード・スピン量・ドロップの上手さに驚いた経験があります。
試合後に話すと、「歳とともに練習量が減り、ヘッドが出にくくなったから」とのこと。軽量オーバーサイズを自分仕様にカスタムしているようでしたが、細かいセッティングは“企業秘密”という感じで教えてもらえませんでした。
そんな背景から、私は現在使っているピュアドライブプラス2021(ロング、100inch)と、同シリーズの110inchのハイパワーモデルを比較し、自分のテニスにどちらが合うのか検証することにしました。
基本スペック(ピュアドライブ110)
- フェイスサイズ:110平方インチ
- 重さ:255g(ノーマル)→ 私はカスタムで285gへ調整
- 長さ:27.6インチ
- バランスポイント:330mm(ノーマル)→ カスタム後320mm
- フレーム厚:24-27-24mm
- ストリングパターン:16×19
私のカスタム(ピュアドライブ110)
実用に合わせて以下の変更を行い、試合で使える状態にしています:
- 本革グリップテープに巻き直し
- エンド部分(9時・10時付近)へリードテープを追加して荷重増し
- 結果:重量285g・バランス320mm(操作性と安定感の両立を狙い)
打球感・操作性の比較ポイント
打感(タッチ)
ピュアドライブ110は面が大きいため接触時間が長く、ボールを「つかむ」感覚が強いです。ウーファーシステムの影響で柔らかめの打感ながら、マルチフィールのストリングとの組み合わせで反発もしっかり感じます。プラス2021はややシャープで、トップ寄りの剛性が感じやすく、コントロールに安定感があります。
反発・飛び
110はオーバーサイズ+オープンパターンのため非常に飛びます。楽に威力を出せるぶん、テンション管理(+約5ポンド程度高め)が必要。また、プラス2021は反発力はあるがコントロールしやすく、厚めに当てて攻めるスタイルに向く印象です。
スピン性能
ストリングパターンは16×19で同じでも、110はストリングの可動域が大きくスピンがかかりやすいです。軽くスイングしても回転を稼げるので、トップスピン主体のプレーや相手の深さを突きたい場面に有利。
ネットプレー(ボレー・スマッシュ)
110はスイートスポットが広く、浅いボレーやジャストミートしにくい場面でも助けてくれる“優しさ”があります。プラス2021は反応良く、ネットプレーで積極的に叩きに行ける剛性感があります。
実戦での感想(私の使用感)
私が285g / 320mmに調整した110は、軽さを残しつつ打球時の安定感が増しました。特に:
- 深いトップスピンを楽に作れ、球の弾きも良い。
- 短い球や抜ける球に対しては面が広い分助けられる場面が多い。
- ただし、しっかり厚く当てないと飛び過ぎることがあり、テンションや当て方の意識が必要。
ベテラン向けの使い分け(私見)
年齢や体力、試合当日のコンディションによって適した選択が変わると思います:
- 体力・スイングスピードが落ちてきたと感じる時:110の方が「飛び」「スピン」「許容度」で助けになりやすい。
- しっかり振れている、攻めたい気分の時:プラス2021の方がコントロール性と剛性感で武器になりやすい。
- ネットプレーや試合中の安心感:110はミスをカバーしやすく、ダブルスや前に出る場面で安心感がある。
Head Speed PWR115+重量チューンの話と気づき
以前見たYouTubeで、ヘッド Speed PWR 115を重めにセッティングしている話を覚えています。大きいフェイスを重くすることで「面の大きさ=許容」を残しつつ打ち負けず、安定してパワーを引き出す。私の110カスタムも同様の考えで、軽さの恩恵(スピン)と重量による安定感の両立を狙っています。
セッティング(ストリング/テンション)提案
- 110は飛びやすいのでテンションを普段より約4〜6ポンド上げるのがおすすめ。
- スピン重視なら16×19の開放感を活かして多摩度のあるポリとマルチのハイブリッドも有効。
- コントロール性を求めるならモノ系を少し高めテンションで(ただし肘・肩の負担に注意)。
まとめ
ピュアドライブ110(カスタム後):パワーとスピンに優れ、スイートスポットが広く扱いやすい。軽さを活かして回転を稼ぎたいベテランに向くが、飛びすぎ対策としてテンション上げや若干の重量化が必要。
ピュアドライブプラス2021:剛性感とコントロール力が高く、厚い当たりで攻めたい選手や試合での精度を優先する場面に向く。ネットプレーでの反応や安定性が魅力。
実戦での選び方:コンディションや相手、当日の気分(攻めたいか守りたいか)で使い分けるのが現実的です。私自身は現在も両方をフィールドで試しながら、最終的な“メイン”を検証している段階です。
現在私は、ピュアドラ+と110インチのどちらが試合で武器になるか、引き続き検証中です。どちらも魅力があり、プレースタイルやコンディションで使い分ける価値があると感じています。