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50歳壮年シングルス・千代田区大会レポート

千代田区の50歳壮年は64ドロー。BYEが多く、私はプチシードで二回戦スタート。
普段は早めに行って体を温めるのが自分の習性だが、あまりに早すぎても浮いてしまうので、集合の30分前に到着。
だが1回戦の試合は控えにも入っていなかった。
土日で4種目を5面で回し切るという、スケジュールの綱渡り劇が始まっていた。
陽射しは先週より柔らかい。けれど “待ちが長いテニス” は、体の芯を静かに冷やす。
気づけば自分のドローは左右に32ずつを抱えた本格的な64本立て。
集合時間も左右で1時間のズレ。
深く考え始めると気が乱れるので、チェーンソーマン・レゼ編のミックスを聴きながら脳を中立状態へ。

対戦相手の一回戦:観察メモ

右側ブロックが先に進んでしまい、待つこと延々。
正午になり、すでに3時間半待ち。対戦相手の姿をようやく控えで確認。
相手の初戦を観察すると——
      •     スピン主体で軌道はやや高め
      •     無理をしない“丁寧なストローク”
      •     低い球も高い球もキレイにさばく
      •     ダブルス実績ありと聞いていたので、ボレー力も一定以上と推測
      •     前に出る頻度は低め
      •     6-1で勝っていたので実力差あり、引き出しが見えづらい
ただ、フォームは美しく、体幹のブレが少ない。
“安心して打ち続けるタイプ” という印象を強く持った。
そしてまた待つ。
この大会、時間というものがどこか遠くへ散歩に出てしまっている。

初戦(=二回戦)

14時半スタート。人生初の「5時間待ち」テニス。
アップの4本で突然相手が強打してきて驚く。
さっきの試合の静かなスピン使いとはまるで別人だ、この落差で一瞬ペースを掴み損ねる。
戦術判断:
      •     序盤はあえて高くゆっくりで “慣らしラリー” を作る
      •     片手バックはスライス多め。バック狙いは有効
      •     こちらのバックは両手を馴染ませる意味で軌道高めで返球
      •     フォアの強打対策として、前後左右にゆっくり揺らす
ラリー中、フォアのディフェンススライスが当たり損ねてショートアングルへ逃げ、相手がネットミス。
偶然の産物だが、流れの糸口になった。
サーブの課題:
アドバイス通り“厚い当たりのセカンド” を試す。
が、精度が荒れ気味でキープできず。
ブレイク→ブレイクバックの応酬で、身体の中のメトロノームが狂い始める。
相手の“ブレイク返し”カモン!に少し気持ちが揺れたが、ここは経験が支えた。
集中力を引き上げて、最終的に 6-3。
負けて帰る5時間待ち…を回避できたのは大きい。
試合後の時刻はすでに15時。

 三回戦(ナイター突入)

さらに1時間待ち。
空の色が疲労と一緒に沈み込む。
平日の階段トレで太ももに残った疲労も疼いていた。
「ここ最近、試合続きで心の火力が落ちてきたな…」という感覚があった。
そして試合開始。照明が灯り、コートはすっかり夜の顔。
相手のタイプ:
      •     遅いムーンボール
      •     短くなるとオープンコートへ
      •     機を見てネットへ
      •     スマッシュも確実に入れてくる
序盤から太ももが攣りかけ、動きが鈍い。
「明日も残り試合を2面でやる」という会話を耳にして、心の体温がさらに下がる。
競り合う気持ちを保てず、流れをつかむ前に気力がしぼんでいった。
自分で“勝ちたい意思”を育てられず、そのまま 2-6。
これは明確に、技術よりメンタルが足りなかった試合。

良かった点

      •     長すぎる待ち時間でも最低限のアップ・体温維持を続けた
      •     1試合目は戦術の修正と対応力がうまく働いた
      •     サーブの改善ポイントを試合で実践できた
      •     相手の初戦を観察し、特徴を把握した上でプランを組めた
      •     劣勢の中でも “流れを切らさない立て直し” ができた

悪かった点・課題

      •     極端な待ち疲れで集中力をキープできず、2試合目は心が折れ気味
      •     サーブの調整が雑になり、キープ率が安定しない
      •     片手バック/両手バックの狙いとミックスがまだ戦術として固まっていない
      •     “勝ちたい気持ち” を維持するメンタル・燃料管理
      •     試合間の栄養補給・水分・筋肉ケアの仕組みが弱い
      •     長い待ち → 夜試合 の流れに対する経験不足

これからの改善テーマ

 (1)長時間待ちの大会での “体温・集中力” の保ち方
      •     合間ごとに3分スキップ/ステップワーク
      •     カーフレイズでふくらはぎ冷え対策
      •     スタミナ切れ防止のジェル系を携帯
      •     メンタルの火力維持用の「軽い目標フレーズ」を決める
(例:次の3ポイントだけ集中、など)
 (2)サーブの再構築
      •     厚い当たりのセカンドは有効なので、回転量と高さで安全度を増やす
      •     練習で「入る軌道の基準」を体に刻む
      •     キープの再現性を優先する日を作る
 (3)バックハンドの軌道統一
      •     両手の高軌道は武器になる
      •     スライスとの使い分けを“意図的”に作る
      •     ラリーの中で組み立てやすいバックの形を固める
 (4)疲労管理
      •     階段トレの日程調整(試合前1〜2日は軽め)
      •     むしろ大会期間はレスト・深部筋ストレッチを主軸に
 (5)メンタル
      •     “今日の試合の目的は何か” を最初に決める
(勝つための意志の置き場)
      •     心が凹みかけた時の “復帰ルート” を決めておく
(深呼吸、ルーティンワード、ガット触る動作…何でも良い)

まとめ

極端な待ち時間・寒暖差・疲労・ナイター突入という “大会の悪条件フルコース” を受けながら、
初戦をしっかり勝ち切ったのは確実に成長の証。
一方で、二試合目は明確に メンタル燃料切れ。
来年以降、区民大会のような進行が読めない環境では、
技術より “気力の節約と復元” が勝負を分けると痛感した1日だった。

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